伏見IVF乳腺うえだクリニック

乳がん検診について2025.08.21

シーメンスヘルスケア株式会社提供

 

こんにちは。伏見IVF乳腺うえだクリニックの乳腺外科、上田知佳です。
当院は、2026年5月より京都市伏見区の丹波橋駅近くで開院予定の、不妊治療・婦人科・乳がん検診のクリニックです。
本日は乳がん検診の流れと画像検査についてご説明致します。


 


乳がんについて

乳がんを発症する人は年々増加傾向にあり、女性の約9人に1人は生涯のうちに乳がんになるといわれています。乳がんは、厚生労働省が検診を推奨する5つのがん(胃がん・肺がん・大腸がん・乳がん・子宮頸がん)の1つです。乳がんは早期に発見し、適切な治療を行えば治る可能性が高いがんです。だからこそ、“症状がないうちに見つける”ことがとても重要です。

 


乳がん検診

厚生労働省の推奨する乳がん検診は、40歳以上の女性を対象に2年に1回のマンモグラフィ検査(乳房X線検査)と問診です。ですが、40歳までは乳がん検診をしなくていいわけではありませんし、毎年の検診が不要というわけでもありません。後述しますが、マンモグラフィ検査にエコー検査を加えた方が望ましい場合があります。

乳がんの好発年齢は40歳代~60歳代ですが、20歳代後半~30歳代でも乳がんに罹患する方がおられますし、そういった若年女性の乳がんは高齢女性に比べて進行が早く、予後が悪いことが知られています。そのため、乳房のセルフチェックが非常に重要であり、乳房の異常を感じた際の早めの受診が推奨されます。また乳がんには遺伝の影響が知られており、無症状の場合でも、乳がん・卵巣がん・膵臓がん・前立腺がんの家族歴をお持ちの方はこまめな定期検診を推奨します。

 

乳がん検診の基本的な流れ

当院での乳がん検診の流れは以下の通りです。
なお『京都市(京都府)乳がん検診(自治体がん検診)』は、下記とは異なる流れとなります。

  1. 問診票の記入
    症状の有無、病歴・検診歴、出産・授乳歴、家族歴、妊娠の可能性、乳房の生検歴・手術歴、豊胸の有無、ホルモン剤内服の有無、月経の有無など
  2. 視触診(※当院では希望者のみです)
    乳房や脇にしこりや違和感を自覚される方は、画像検査の前に診察室にて視触診を行うことがあります。
  3. 画像検査(※詳細は後述致します)
    - マンモグラフィ検査(乳房X線検査)
    高画質トモシンセシス(3Dマンモ)も撮影可能です。
    - 乳房エコー検査(乳房超音波検査)
  4. 結果説明
    当院では、出来る限り当日中に結果説明を行う方針ですが、場合によっては後日となります。
    また追加の検査(細胞診や組織生検)が必要となった場合、細胞診は当日検査可能ですが、組織生検は時間帯や内容により、後日となる場合もあります。
    なお、細胞診・組織生検共に、結果は後日となります。

 

画像検査について

乳がん検診の代表的な画像検査に、マンモグラフィ検査とエコー検査があります。それぞれの検査の違いと適応についてご説明致します。

マンモグラフィ検査

マンモグラフィとは、乳房専用のX線検査(レントゲン)のことです。乳房を板で挟み、薄く広げた状態でX線撮影を行います。

 

特徴

  • 石灰化や構築の乱れが見つけやすい
  • 閉経後乳房での病変を見つけやすい
  • 過去比較や左右差で微細な所見を見つけやすい
  • 乳がん検診において死亡率減少効果が証明されている

 

デメリット

  • 乳房を挟むことで痛みを伴う(特に乳房痛のある方に多い)
  • 放射線被曝がある(※後日別記事にて説明予定です)
  • 若い女性、乳腺の密度が高い方(高濃度乳腺=デンスブレスト)での病変検出率が低い
  • 腫瘤や局所性非対称陰影(FAD)の偽陽性率が高い
  • 妊娠中やその可能性のある方は撮影が出来ない
  • 豊胸術後の方で撮影出来ない(異物破損の危険性があります)

 

エコー検査

エコー検査とは、超音波を出す器具(エコープローブ=探触子)を乳房に当てて、返ってくる反射の情報を画像に変えて、内部の状態を観察する検査です。

 

特徴

  • 痛みを伴わない
  • 被爆しない(身体的負担が少ない)
  • 小さなしこりが見つけやすい
  • 血流や病変の硬さが分かる
  • 脇深くのリンパ節の評価が出来る
  • 若い女性、高濃度乳腺の方でも病変が見つけやすい
  • 妊娠中や豊胸術後の方でも検査可能

 

デメリット

  • 厚みのある乳腺の深部評価がやや困難
  • 石灰化や広範囲の構築の乱れを見つけにくい
  • まだ死亡率減少効果が証明されていない(J-START試験にて研究段階)
  • 検査技術による差が大きい

 

どちらを受ければいい?

40歳未満の女性

乳腺が発達していてマンモグラフィ検査での病変発見率が落ちる可能性がありますので、基本的にはエコー検査をおすすめします。
ただし前述の通り、石灰化や構築の乱れなどエコー検査で見つけにくい病変の発見に有用な場合もありますので、症状のある方や視触診で異常が疑われた場合にはマンモグラフィを追加することがあります。
また40歳未満の女性でも、高濃度乳腺でなければ(授乳歴のある方などに多い)、マンモグラフィの良い適応となることもあります。

40歳以上の女性

基本的にはマンモグラフィ検査をおすすめしますが、閉経前であれば高濃度乳腺の方もいらっしゃいます。
また死亡率減少は照明されていませんが、エコー検査併用検診にて乳がんの検出率が上昇することは知られております(検出率が上昇しても死亡率が低下するとは限りません)。少しでも早期に発見する目的からは、エコー検査の併用をおすすめします。

授乳中・妊娠中の女性

エコー検査のみの適応となります。

実際は、ご年齢だけでの判断ではなく、症状や乳房の状態によっても大きく異なりますので、問診の際に相談して決めていきます。

 


当院の乳がん検診のこだわり

伏見IVF乳腺うえだクリニックでは

  1. 高画質・高性能なマンモグラフィ装置にてトモシンセシス(3Dマンモ)が撮影可能
  2. 高性能・高感度なエコー装置にてスクリーニングにおける微小病変の検出(eScreening機能)やエラストグラフィ(病変の硬さの評価)が可能
  3. 撮影経験豊富な放射線技師にて痛みの少ないマンモグラフィ
  4. 読影高評価の女性乳腺外科医によるマンモグラフィ読影とエコー読影
  5. 女性専用スペースによる検査中のプライバシーや快適さへの配慮
  6. ネット予約や自動精算機による待ち時間への配慮
  7. “気軽に相談が出来る不妊と乳腺のクリニック”をモットーに、他の病院では相談しにくい日常の不安や疑問、悩みなどに耳を傾け、安心していただける医療の提供

に努めます。
※医師が必要とした場合にのみ、男性と診察室に入って頂くことが可能です。

 


最後に

乳がん検診は決してこわいものではありません。未来のご自身やご家族のために「今」できる大切な習慣の一つです。

足が遠のき期間が空くと、より結果が怖くてさらに足が遠のいてしまう…そういう声を外来でよく聞きます。でも大丈夫です。受診したからといって病気が必ず見つかるわけではありません。またもしも何かがある場合でも、1日でも早く診断し、早期治療に繋げていきましょう。

症状に気付いた方はもちろん、なんとなく違和感がある方も、しこりかどうか分からないという方も、ずっと痛いけど乳腺症と言われ続けている方も、過去に指摘された乳房の腫瘤がどうなったか気になる方も、まずは一度ご来院下さい。

よろしくお願い致します。

 

伏見IVF乳腺うえだクリニック
乳腺外科 上田知佳

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