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こんにちは。2026年5月に開院予定の、伏見IVF乳腺うえだクリニック 院長の上田匡です。 今回は、ちょっと趣向を変えて産婦人科の専門医制度について、 つまりサブスペシャルティ(以下、サブスペ)についてかなり偏った私見を述べたいと思います。 あくまでも私見ですので、雑談程度の感覚で読んでいただけると幸いです。 |

皆さま病院やクリニック選びの際に何をみますか?
ホームページですか?
建物の綺麗さですか?
手術などの実績ですか?
私は、はじめに医師の略歴・資格の項目をチェックしています。
何故かといえば、そこに医師が努力してきた経歴があるからです。
では、その医師の略歴・資格を飾るサブスペについて、私見を語ります。
このコラムが皆さまの病院選びの一助になれば幸いです。
Googleで『サブスペシャルティとは』と検索すると、【サブスペとは、医師の専門医資格における、基本領域専門医の上に位置する、より専門性の高い分野のことです。新専門医制度では、基本領域の専門医を取得した後に、サブスペ領域の専門医資格を取得する「2階建て」構造が特徴です。】との答えが返ってきました。
内容に違和感がなく、本当に最近のAIは賢いですね。
まあ、簡単にいえば『基本の専門医をとった後に取得する、より専門性の高い専門医資格』です。産婦人科であれば、産婦人科専門医をとったあとの専門医です。
サブスペを取るには、まずは産婦人科専門医といった前提条件があります。
産婦人科専門医の取得条件はまず、初期研修(2年間)を修了した後、指定された研修施設で3年以上、常勤として産婦人科の臨床研修を修了する必要があります。さらに、論文・書類審査等々を潜り抜けて、なかなかに難しい専門医試験に合格が必要です。個人的には、もう一度産婦人科専門医試験を受けろと言われたら、面倒で心が折れる自信があります。
以下に、私見ですが産婦人科のメジャーなサブスペをざっくりまとめました。
あくまで私見ですのでご了承下さい。
さて、サブスペについて説明してきましたが、これらの取得は難しいのでしょうか?
受験資格および試験内容に難易度の差はありますが、一番きつかったのは受けるまでに必要な年月です。長いところで2年間の学会入会期間があり、その後3年間の研修期間を要し、試験までに合計5年を要する資格もありました。さらに試験は結構な割合で落ち、中には試験に3回落ちたら研修からやり直しとなるハードな資格もあります。試験内容は、内視鏡認定医のみ技術をみるビデオ審査で、他はペーパー試験ですが重箱の隅をつつくような問題ばかりです。
取得が難しいかと言えば、個人的には非常に難しいと考えています。研修期間が長く、テストもそれぞれ難易度が高いためです。ですので、サブスペを2個以上もっている方は資格を取るために注力された方、3個以上もっている方は勉強が趣味な方、と私は理解しています。
その分野において、一般的な産婦人科の医師より努力をした証と考えています。ですので、サブスペを持っていない群より、持っている群の方が、その分野において平均的に知識・経験があると考えられます。一方で、サブスペを持っていなくても、その分野において卓越された方がおられるのも事実です。具体的に、私は腹腔鏡技術認定医を持っておりますが、私より圧倒的に腹腔鏡手術が上手な某O日赤の部長は2年連続で技術認定医の試験に落ちてます。理由としては、簡単な症例は若手にいくためビデオに適した症例がない、自分が上手なのを知っているから切羽詰まって認定医を取る必要がない、などが考えられます。
ですので、サブスペはひとつの努力の指標ではありますが、持っていなくても中には特定の分野で卓越された方もおられます。それと、持っていることが当たり前の世の中になってきたため、持っていないと少し寂しい気分になるんですよね(経験談)。
不妊治療の領域であれば生殖専門医を持っている人がいるクリニックを受診すれば良いと思います。加えて遺伝専門医や周産期専門医を同時に持っていると、不妊治療だけでなく出生前診断や妊娠後の管理についても相談ができます。
非常に長くなりましたが、最後までお付き合い頂きありがとうございました。
皆さまの経歴チェックが少しでも楽しいものになるようお祈りします。
伏見IVF乳腺うえだクリニック
院長 不妊治療・婦人科 上田匡