こんにちは、伏見IVF乳腺うえだクリニック、院長の上田匡です。
不妊治療のご相談を受けていると、「治療を受けたい気持ちはあるけれど、費用がどのくらいかかるのか分からなくて…」という声をよく聞きます。
不妊治療は、タイミング法や人工授精などの一般不妊治療から、体外受精や顕微授精まで、さまざまな治療方法があります。
そして、治療内容によって費用も大きく異なるため、治療を始める前に費用について知っておくことは、とても大切だと思います。
特に体外受精では、採卵する卵子の数や受精方法、胚をいくつ培養・凍結するかなどによって、実際にかかる費用が変わります。
そのため、「体外受精なら●万円」と一律にお伝えすることはできません。
今回は、当院で行っている不妊治療について、それぞれどのような費用がかかるのかを、できるだけ分かりやすくまとめました。
「これから不妊治療を始めようと思っているけれど、費用が心配」
「人工授精や体外受精では、実際にどのくらいかかるの?」
「保険診療ではどこまでカバーされるの?」
そんな疑問をお持ちの方に、治療を考える際のひとつの参考にしていただければと思います。
そもそも不妊治療ではどのような費用がかかる?
不妊治療には、タイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精などがあります。
治療の内容によって費用は異なりますので、これから一つずつご紹介いたします。
当院では保険診療で行える治療については保険診療に対応し、必要に応じて自費診療も行っています。
タイミング法
タイミング法では、超音波検査などで排卵の時期を確認し、妊娠しやすいタイミングをご案内します。必要に応じて排卵誘発剤などのお薬を使用することもあります。
そのため、診察料、超音波検査料、薬剤費などを含め、実際の費用は診療内容によって異なります。
「まずはタイミング法から始めたい」という方も、費用を含めてご説明いたしますので、気軽にご相談ください。
人工授精
人工授精(AIH)は、排卵の時期に合わせて、精子を子宮内に注入する治療です。
人工授精そのものの費用は、保険診療で1,820点です。3割負担の場合、自己負担額は5,460円となります。
ただし、これとは別に診察料、超音波検査料、薬剤費などがかかる場合がありますので、実際のお支払い額は診療内容によって異なります。
体外受精・顕微授精
体外受精や顕微授精では、
採卵 → 受精 → 胚培養 → 胚凍結 → 胚移植
という流れで治療を進めます。
それぞれの段階で費用が発生するため、最終的な費用は、採卵する卵子の数や受精方法、培養する胚の数、凍結する胚の数などによって変わります。
ここからは、それぞれの費用についてご説明します。
採卵
採卵の基本料金は、自費:32,000円/保険3割:9,600円です。
さらに、採卵した卵子の数に応じて加算があります。
| 採卵数 | 自費(税込) | 保険3割 |
|---|---|---|
| 1個 | 24,000円 | 7,200円 |
| 2~5個 | 36,000円 | 10,800円 |
| 6~9個 | 55,000円 | 16,500円 |
| 10個 | 72,000円 | 21,600円 |
採卵する卵子の数によって費用が変わるため、実際の費用は採卵結果によって異なります。
受精
卵子と精子を受精させる方法には、体外受精と顕微授精があります。
体外受精は、卵子と精子を培養液の中で一緒にして、精子が自然に卵子へ入り込むことで受精させる方法です。
顕微授精は、顕微鏡で確認しながら、1個の精子を卵子に直接注入して受精させる方法です。
体外受精と顕微授精を同時に実施する場合は、下記体外受精代の半額と顕微授精代の合算となります。
◎体外受精
体外受精の場合、自費:32,000円/保険3割:9,600円です。
◎顕微授精
顕微授精は、顕微授精を行う卵子の数によって料金が異なります。
| 顕微授精を行う卵子数 | 自費(税込) | 保険3割 |
|---|---|---|
| 1個 | 38,000円 | 11,400円 |
| 2~5個 | 58,000円 | 17,400円 |
| 6~9個 | 90,000円 | 27,000円 |
| 10個 | 118,000円 | 35,400円 |
このほか、卵子調整加算10,000円(保険3割3,000円)、新鮮精子加算10,000円(保険3割3,000円)などがあります。
TESE精子を使用する場合には、採卵精子調整管理料として自費50,000円、保険3割15,000円がかかります。
胚培養
受精した卵子(胚)を培養し、発育を確認していきます。受精・胚培養管理料は、培養する胚の数によって異なります。
| 胚の数 | 自費(税込) | 保険3割 |
|---|---|---|
| 1個 | 45,000円 | 13,500円 |
| 2~5個 | 60,000円 | 18,000円 |
| 6~9個 | 84,000円 | 25,200円 |
| 10個 | 105,000円 | 31,500円 |
さらに、胚盤胞まで培養した場合には胚盤胞管理加算がかかります。
| 胚盤胞の数 | 自費(税込) | 保険3割 |
|---|---|---|
| 1個 | 15,000円 | 4,500円 |
| 2~5個 | 20,000円 | 6,000円 |
| 6~9個 | 25,000円 | 7,500円 |
| 10個 | 30,000円 | 9,000円 |
胚凍結
培養した胚を凍結保存する場合には、胚凍結保存管理料がかかります。
| 凍結する胚の数 | 自費(税込) | 保険3割 |
|---|---|---|
| 1個 | 50,000円 | 15,000円 |
| 2~5個 | 70,000円 | 21,000円 |
| 6~9個 | 102,000円 | 30,600円 |
| 10個 | 130,000円 | 39,000円 |
また、2年目以降の胚凍結保存管理料として、
自費:35,000円/年(1回の採卵に対する更新費用)
保険3割:10,500円/年
がかかります。
胚移植
胚移植には、新鮮胚移植と凍結融解胚移植があります。
◎新鮮胚移植
採卵・培養した胚を凍結せず、そのまま子宮内へ移植する方法です。
自費:75,000円 保険3割:22,500円
◎凍結融解胚移植
一度凍結保存した胚を融解し、子宮内へ移植する方法です。
自費:120,000円 保険3割:36,000円
このほか、アシステッドハッチング加算10,000円(保険3割3,000円)、高濃度ヒアルロン酸含有培養液10,000円(保険3割3,000円)があります。
その他
体外受精では、外来での費用もかかります。
ここまでご説明した費用のほかに、体外受精では排卵誘発のためのお薬や、採血、超音波検査、診察などの外来費用が別途発生します。
外来費用は、使用する誘発方法や診察回数などによって異なります。
保険診療では高額療養費制度を利用できます
保険診療で行う不妊治療では、医療費が高額になった場合に高額療養費制度を利用することができます。
高額療養費制度では、1か月に医療機関などで支払った医療費が一定の自己負担限度額を超えた場合、その超えた分が支給されます。
自己負担限度額は、年齢や所得などによって異なります。
高額療養費制度の詳細や、ご自身の場合の自己負担限度額については、ご加入の健康保険へご確認ください。
当院の体外受精・胚移植の料金表にも、保険診療では高額療養費制度を利用できる旨を記載しています。
コラムの一番下のファイルをご参照ください。
卵子凍結の費用について
当院では、卵子凍結にも対応しています。現時点では、社会的適応の卵子凍結のみの対応とさせていただきます。
採卵
採卵基本料金:55,000円
個数加算:1個につき11,000円
卵子凍結
凍結基本料金:44,000円
個数加算:1個につき4,000円
更新費用:44,000円/年(1回の採卵に対する更新費用)
この金額には、初診費用、検査費用、排卵誘発の薬剤費、診察料、超音波検査、ホルモン採血、採卵、卵子凍結などが含まれています。
ただし、実際の費用は使用する薬剤や診察・検査の回数、採卵できた卵子の数などによって異なります。
治療を始める前に、費用についてもご説明します
不妊治療では、治療そのものだけでなく、費用についても分からないことが多いと思います。
「まだ治療を始めるか迷っている」
「人工授精と体外受精で、費用はどのくらい違うの?」
「体外受精を考えているけれど、保険が使えるの?」
「卵子凍結を考えているけれど、どのくらい準備しておけばいい?」
このような疑問や不安があれば、治療を始める前でもお気軽にご相談ください。
当院では、治療の内容だけでなく、費用についてもできるだけ分かりやすくご説明し、ご納得いただいたうえで治療を進めていくことを大切にしています。
一人ひとりの状況に合わせて、必要な治療を一緒に考えていきたいと思っています。
料金表
より詳しい料金については、当院の料金表をご確認ください。
体外受精・胚移植法についての料金表
卵子凍結についての料金表
※掲載している料金は2026年8月1日現在の料金表に基づくものです。今後の診療報酬改定等により変更となる場合があります。
※実際の費用は、治療内容や診察・検査の回数、使用する薬剤などによって異なります。詳しくは診察時にご確認ください。
まとめ
不妊治療には、タイミング法や人工授精、体外受精、顕微授精などさまざまな治療方法があり、治療内容によって費用も異なります。
特に体外受精では、採卵する卵子の数や受精方法、胚の培養・凍結の数などによって費用が変わるため、治療を始める前に、ご自身の場合にどの程度の費用がかかるのかを知っておくことが大切です。
当院では、治療内容だけでなく費用についてもできるだけ分かりやすくご説明し、患者さまに納得して治療を受けていただけるよう心がけています。
不妊治療を始めたいけれど、費用が心配……、という方も、まずはお気軽にご相談ください。
伏見IVF乳腺うえだクリニック 院長 上田匡